その腰痛!坐骨神経痛かもしれません!

先日、来院した患者さんの話。その方は、40代、やや太めの中肉中背の男性。2~3日前より腰痛が出現。マッサージ屋へ行って、ほぐしてもらってもいっこうに症状が軽減しなかった。腰痛は何度も経験していたのだが、今回の腰痛は今までの感じと違うという。どこが違うのかというと、「夜痛みで寝れない。腰を動かしてもそれほど痛くない。腰だけでなく、おしりから太ももの後ろにかけて痛みが出る。」などだ。話を伺って、だいたい原因はわかったのですが、とりあえず検査する。検査するといっても、検査器具を使用しない徒手検査だ。しかしあなどるなかれ、痛みの原因を速やかに見つけることができるのだ。まず、姿勢を診る。やや猫背気味だ。猫背は首や腰に負担がかかるのだが、今回の症状の直接的な要因とは思われない。次に腰の動きと痛みを診る。横に曲げる動きで痛みが出るが、その他の動きでは、痛みは出ない。次に仰向けになってもらい、ヘルニアの検査をする。これも異常なし。次に横向きで、腰から脚にかけての圧痛を診る。特有の部位を押すと、すごく痛みを感じ、脚のほうまで痛みがつたわる。

そこで、確認をかねて、問診を行う。「痛みは、動いているときより、寝ていたり、イスに腰掛けているときに感じませんか?」「痛みは、太ももの後ろが痛かったり、おしりが痛かったりと、痛みの部位がうごきませんか?」この問いに対して、そのとおりだという。

最初に行った、マッサージ屋さんでは、腰の筋肉が硬いとしか言われなかったらしい。そこで私は、ある症状名をつげた。

私は迷わず、はり治療を選択した。はりを打ちながら、患者さんに説明する。「腰椎は、年相応多少の変形はあるかもしれませんが、それよりも腰とおしりの筋肉が硬くなって、神経を圧迫しているのでしょう。この症状は、他に体重や長時間のデスクワーク、運転が引き金になります。そして冷えや湿気、低気圧も。胃腸の疲れ、これも原因となります。」と・・・・・

すると患者さんはびっくりしたように「先生、占い師みたいですね。最近、長時間イスに座って仕事してました。一週間前から、どうも胃の調子が悪くて、胃薬を飲んでました。」

私、「いや、別に占い師じゃないんですよ。典型的な坐骨神経痛の症状をいっただけですから。」

治療後は、からだが重い感じや眠気が生じるが心配ないこと、はり治療で症状が改善せずに逆に増悪した場合などは内臓に病変が隠れていることもあるので、その場合は速やかに医療機関に行く注意をおこない、その日の施療を終える。

二日後、再度施療する。坐骨神経痛の症状は治まったので、今回の治療で終了とする。しかし、いろいろ体調不良があるので、定期的に来るという。こちらとしても痛くなってから治療するよりも、体のバランスをとる治療のほうがいいので願ったり適ったりである。